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真夏の夜の夢の庭

 むこうに花園がある。麝香草が咲きみだれ、桜草が生い茂り、菫が風に答えて頭をうなだれ、その上を天涯のように、甘い香りを放っているスイカズラ、麝香バラ、野バラがおおっている。タイターニアはときどき夜そこへ出かけていく、そして踊り疲れて花を床に眠りへと落ちていく。

シェイクスピアの戯曲、 A Midsummer Night's Dreamは、イギリスの森のフォークロアと異国趣味が入り混じり、夢幻のように美しくそして滑稽である。

Midsummer Dayは、一年で一番昼が長い夏至の日で洗礼者ヨハネの祝日でもある。劇中では「五月祭」といわれている。人々は森に草花を取りに行きそれで戸口や広場に立てたメイポールを飾り、ダンスを踊り芝居をし篝火をたいて夜を徹して祝った。草木の精霊の力にあやかり、豊饒を祝う行事であり、シェークスピアの劇のなかにはその祝祭的要素がちりばめられている。

妖精の王オーペロンはインドの森から、劇の舞台となるアテネの森にやってくる。しかしこの森はイギリスの森のようでもあり、中国の森のようでもある。そしてそれは人間の森であるとともに、妖精の森である。

妖精の庭。そこには野薔薇や九輪桜や桜草三色すみれなどさまざまな花が乱れ咲き、妖精がその蜜を集めたり、露で飾ったりしている。