桜草
江戸の花、桜草。江戸の庶民は江戸郊外に春群生して咲く花を楽しむとともに、園芸種を創出し、洗練された花遊びをも考え出していた。寒天に紅白の桜草を挿すとか。

2005春タキイの小指の先ほどもない根茎から花が咲いたけど小さい。

天保期には間口一間の組み立て式の障子屋根に5段のひな段の花壇に33鉢の桜草を並べる鑑賞法が成立。今も江戸時代の「桜草連」の伝統をひく「さくらそう会」がその雅な伝統を伝承している。『桜姫東文章』には、桜草売りがでてくる。

シェイクスピアの桜草は黄色である。この花は『冬物語』で「顔色のわるい桜草」などと書かれ、悲哀の象徴であった時代があって、花言葉も「青春のはじめと悲しみ」である。

ところで、真夏の夜の夢の森は、どこでもない不思議の森なので、日本の桜草も咲いています。

サクラソウ科サクラソウ属(プリムラ)の多年草。プリムラとはラテン語の「最初の」の意味。春一番に咲く花としてヨーロッパで愛されている。大きくはヨーロッパ系と中国などのアジア地域系にわけられる。

ヨーロッパで普通に見られる桜草は黄色の一重の花が一茎に一つつくプリムラ・ウルガリスで、イギリスではプリムローズと呼ばれる。イギリスの古い風習では復活祭の教会の装飾に使われ、スコットランドではこの日に球形にたばねた桜草のまん中に6弁の白いアネモネを挿した花束を作るそうである。また花をサラダにしたり、花弁を乾燥させてお茶にする。ヨーロッパの桜草を交配した園芸種が冬に色とりどりの花を咲かせるプリムラ・ポリアンサス。ポリアンサスとは花の多いという意味。

また中国の四川省・雲南省からチペット自治区のヒマラヤ山脈にかけての高山地帯には多くの桜草があり、19世紀末ヨーロッパのプラント・ハンターが多数持ち帰って、イギリスなどで多くの園芸種が生み出された。
日本でも日本・朝鮮半島・中国東部・シベリア東部にかけて分布する野生種サクラソウであるクリンソウやヒナザクラなどのPrimura sieboldiiから、江戸時代に多くの園芸種が創出された。現在300種をこえるうち三分の一は江戸時代から受け継がれている。野生種サクラソウは江戸郊外の荒川ぞいの原野で群生する野草であったが、絶滅危惧種。

原種のほとんどは山岳地帯に自生するため、寒さに強いが暑さに弱い。


2006.02雲南桜草

2007.04桜草