ヒナゲシ
学名Papaver rhoeas。別名虞美人草。ヨーロッパ原産の一年草。中国戦国時代の英雄項羽の愛人の虞美人が自殺した墓から生じた虞美人草であるが、実はヒナゲシではなく「麗春花」であるという説もある。日本には中村テキ斎の『訓蒙図彙』(1666年)に「麗春俗言うびじんそう」などとあるのがヒナゲシの最初の記録とされている。オランダ経由のものもあったらしい。
ヨーロッパでは麦畠などに雑草として繁殖し、「麦ケシ」「赤い雑草」などともいわれる。ギリシャの地母神で農耕の女神デメテールが心を慰めるために摘んだといわれ、花言葉には「慰安」「休息」などがある。フランスでは「コクリコ」といわれるが、その意味は「小さいおんどり」。鶏冠のように赤いから。イギリスでは赤いヒナゲシを見つめていると盲目になるといわれ、この花を摘むとカミナリが鳴るとか、カミナリが鳴っているときに摘んで屋根裏の梁におくとカミナリよけになるという伝承がある。第一次世界大戦の激戦地フランドルの荒れ地にこの花が咲いたために、第一次世界大戦の戦死者に捧げられた花でもある。

ヒナゲシという名は可憐だが、草丈は1メートル以上になり、そのわりに枝葉が柔らかいので折れやすく、風などで倒れやすい。花はすきとおるようにはかなく、押し花にしたいような繊細さ。赤・白・ピンクの花色があるらしいが、白はまだ見たことがない。赤は朱から深紅までさまざまな色合いがある。



2005.05

2007.05

2007.05