八重くちなし Cape Jasmine/Gardenia

アカネ科クチナシ属の常緑低木。学名Gardenia jasminoides。日本・台湾・中国・インドシナの温帯・亜熱帯に分布する。

古くから「四徳」ありといわれた。すなわち、純白の花色、清純な香り、冬でも青々とした葉、橙色に熟する果実。ただし果実は八重のものにはつかない。実が熟しても開かないことにより「口なし」とか。その実は漢名を山梔子といって解熱剤や黄色の着色剤になる。

中国では梅や水仙、菊などとともに天下の「七香」のうち。西洋には19世紀に伝わり、八重咲きのくちなしは「愛をはぐくむ花」として「ガーデニア」の名で親しまれている。フランス領タヒチの国花でもある。

日当たりのよい場所を好むが、夏の暑い日ざしにし弱い。花後すぐに剪定して翌年の花芽の形成をうながす 。弱酸性の土壌を好むので、二月頃油かすと骨粉を混ぜたものを根もとにまく。

毛虫(オオスカシバ)に葉をばりばり喰われる。見張りをして排除しなければ、丸坊主になる勢い。

夜の闇の中でも輝く花の白さと、葉の光沢、そして匂い立つ香りが好きだ。

花言葉は「沈黙」。「口なしの花さくかたや日にうとき(蕪村)」という句はかなしい。ヨーロッパでは恋人に最初に贈る花らしいのに。