シクラメン cyclamen
ガーデニング用の小型のシクラメンが店頭に出るようになったので、ここ数年育てている。昔は美しいが、リボンなどでかざられた病院御見舞い用の鉢花のようで好きではなかったが。リルケの詩に「子牛の群の足もとに、シクラメンの花が深紅に咲き乱れ」とあるように、もともと野生の花なのである。切り取られたような花のフォルムが美しい。

原産は地中海沿岸、アフリカ、アジア。ギリシャでは薬草として扱われ、中世ヨーロッパではほれ薬にも使われた。英語ではサウ・ブレッド(雌豚のパン)、あんまりだ。明治時代に日本に渡来し、俳句などでは「かがりび花」ともいわれる。夏目漱石は明治43年1月14日の日記に、「雪の下の様な葉に菫の様な紫の花が出てゐる」と書いているそうだ。