佐藤史生


 佐藤史生さんは軽いコメディーを書いていたデビュー当時から注目していた。日本人くさくないというか、清潔でちょっと浮き世ばなれしたような絵がらと軽妙な筋立てが、個性的だった。それから、この寡作な人の、ずっと大ファンである。
 『死せる王女のための孔雀舞』(新書館、1983)の七生子のシリーズはとても好きである。神、神に選ばれた天才、ミュータント、完璧な遺伝子ではなく、それに惹かれながらも不完全な人間と人間の間のあたたかさなしでは救われないことを肯定する、彼女の変わらないモチーフがそこにはある。
 SF は壮大で、他の追随を許さない。地球の大陸変動から人間を救うために幻視者たらんとする大神官イリスの物語、『夢みる惑星』(小学館、PFビッグコミックス、全4巻)、コンピュータとダーサ(魔)をつないだ『ワン・ゼロ』(小学館)は衝撃的だった。