佐々木倫子氏は、北大獣医学部を描いた『動物のお医者さん』で一躍有名になったが、その後は少しシリアスな病院ものを描き、その反動か、でたらめなレストランの話を連載した。この人の魅力は、出てくる主要人物がそれなりの整った美男美女で、おしゃれな格好をしているのに(インゲボルグが似合う日本人なんて…)、そろって「変」なこと。その性格の、ファッションの、セリフの、行動の、筋立ての、「変」さは読んでもらわないと、とても説明できない。そしてこの「変」にとらえられてしまうと、もう佐々木ワールドから逃れることはできない。
『林檎でダイエット』(白泉社)に出てくる「変」な姉妹、椿に入れ込んだ姉がNHKの集金をごまかしていたことから、恐ろしいことがおこる。そんなわけはないのだった。
色恋が、ほとんど、というか皆無であるのも、私的にはよいと思う。恋と変は字は似ているが並立しないようだ。それなら変を選ぶのもいいではないか。