山下 和美

 
とても好きな作家。特に『天才柳沢教授の生活』(講談社モーニングKC、1989年〜)の主人公、Y大経済学部教授柳沢良則氏は、まっすぐ歩き、ルールを貫徹し、本と人間を愛し、9時に寝る。「柳沢教授は生徒がしゃべっていると聞く意志が無いものと見なし、講義を中断し黙って立ち続ける」、すると静かになるらしい。なんと偉大なんだ。こんな先生、というか人間になりたい。が、無理そう。
教授のまわりの人たちも、こう思ってじたばたし、事件が起こる。そのじたばたがいとしくて、この漫画の魅力になっている。しかし教授自身はそのじたばたを知らない。教授はいわばトリックスターなんである。

 絵柄がスマートで線が美しいのも、魅力。