home>本と私>本だらけの人生 BACK
 本だらけの人生
職業柄ただでさえ本が多いのに、それ以上に楽しみの本やマンガがあるので、私の人生、本だらけである。かなりの収容力のある研究室と、スライド書棚という偉大な発明がなければ、とっくに埋もれて死んでいただろう。いや、逃避してはいけない。研究室の書棚も、書庫代わりの小部屋に詰め込んだ3段のスライド書棚も、そろそろ満杯である。ほど近い未来は暗い。
 いらなくなった本は即、古本屋さんに宅急便で送りつけているし、なるべく図書館で本を借りるよう心がけたいと思っているが、本には読む喜びとは別に、出会う歓び、所有し愛玩する密やかな悦び(なんかエロい)も確かにあるので、やっかいなのである。本との関係は人間関係に似ている。ハンサムでおもしろい素敵な殿方に出合うまでに、たくさんの経験を踏む必要があるのである。

 本中毒者の行動パタンは、経験上、おおむね以下のようなものと考えられる。本中毒に対する世間の眼は冷たい。ぜひあたたかく見守ってほしい。

1 常に本を携行している。本がないと電車の中や空き時間にどうしたらよいかわからないという強迫観念を持っているため。バックなどの袋物類は、本を入れたり、立って文庫本を読むことを前提として買うので、いつもでかく、底があるタイプで、肩掛けないしはリュックである。たまに歩きながら読んでいることさえある。

2 専用の書庫を持つことを夢見ている。しかし現実には、2段以上のスライド書棚か、天井まで本を入れられるスチールのつっぱり式書棚に、前後二段に本を詰め込んでいる。

3 本屋さんマップや古本屋地図を持っていて、毎年買い換える。古書市の案内や古本屋のカタログがほぼ毎週届く。もちろんインターネット本屋のお得意先でもある。

4 人の家に行くと、まず書棚を検分して、その人の趣味を穿鑿したり、おもしろい本を勝手に読みふけりがちである。

5 毎日一度は本屋をのぞかないと気がすまない。そしてのぞいてもおもしろい本がないと、何か損をしたような腹立たしさを感じる。とにかく、本屋の前を素通りすることができない。

6 ベッドでは数分でも本の頁を眺めないと眠れない。ごはんを食べながら、浴槽につかりながら、本を読む。

7 本が財産のほとんどをしめるので、引越がおっくう。しかし引越するときは本だけ先に赤帽で運んじゃうなどの裏技などこだわりを持っている。また住むところは、書棚の配置や日光による本の傷みを考えて、壁面が多く、窓が少ない部屋を選ぶ傾向がある。で、家が暗い。また本が雑然としているので、すきっとした「インテリア」に憧れていても、到底不可能である(書庫があれば別かも)。

8 まともな書店や図書館もないような「田舎」には絶対住めない、と公言している。また本を読まない人とはなんだか気が合わないような気がする。本好きの同類が集まると、天候の挨拶がわりに「なんか最近おもしろい本を読んだか」と聞きあう。

9 イギリスの城持ちの貴族と結婚して大きな図書室を持てたらとか、買う側ではなく古本屋や書店を開業してみたい、などという妄想を持ったことがある。

10 死後の本の処分について、思い悩んでいる。

 こんなもんか。こうして書いてみると、我ながら、なんか悪い魔女に呪いをかけられているようで、あんまりだという気がする。でも本のない人生なんて考えられないので、とにかく、リサイクルと、かしこい収納あるのみ。昔、「捨てる技術」なる本がヒットしたときは、まじ怒りました。本を捨てるなんて、犯罪だろう。デジタル本の導入も考えてしかるべきだと思うが、研究用の専門書や雑誌、辞書などはデジタル化するとして、楽しみのための読書はどこでも手軽に開くことができる文庫本がいいと思う。ウェブ上の青空文庫もわざわざ印刷して読むわたしです。どうも根本的解決にはなりそうにもない。

キーワード

スライド書棚 本を入れる棚が左右にスライドする書棚は優れものである。引っ越しが多かった借家時代には「大学生協」製の組み立て式のスチールの書棚を重宝した。ただあれは錆びるので、組み立てに苦労する。突っ張り式薄型書棚を一度ためしたが、解体が怖くて便利屋さんに頼んだ。で、マンション購入と同時に本を収納するスライド書棚をGET。収納量は膨大だが、木製なので重い。もう絶対引っ越しできない気がしている。

引っ越し 本の引っ越しは大変である。長年の内に編み出した引っ越し技は、以下の通り。本用のみかん箱小の箱をたくさんくれる引っ越し屋を選ぶこと。ホームセンターにもあるが、ややヤワイ。それに8分通りつめ、非力な私でも持てる程度とすること。どうせ手伝うことになるから。そして引っ越し屋のにいちゃんなら箱二つは軽い。できれば棚ごとに箱詰めすること。前もって赤帽さんを頼んで、本だけの引っ越しをすませてから、その他の引っ越しをする。そのほうが早くて混乱がない。

風呂での読書 お風呂につかりながらの読書は、とても快適。ぬるめのお湯にゆっくりつかれるし。浴槽に本をおとさないようにしたいものである(しおりや宣伝パンフなどをよく落とす)。防水カバーもあるが、着脱が面倒。また通販で、風呂用の書見台を購入したこともあるが、湯気で塗れてしまうのでもう一つでした。

寝る前の読書 うつぶせで読んでも、仰向けで読んでも肩がこるのが問題。私は横向き派。うつぶせの場合はおなかにクッションを敷くとちょっとまし。リクライニングできるベットか、天井からつるせる本ささえ道具が欲しい。