これは本調子の唄です。一部濁点などを付けて、わかりやすくしています。実は作詞は蝶夢という女の人で、この人は武兵衛さんの三味線の師匠だった津山検校の女のお弟子さんです。盲目でしたが、非常に才能のある人であったと武兵衛さんも書いています。武兵衛さんはこれに三味線の節を付けました。この間中之島の大川べりを歩いていたら、柳の枝先から芽吹いた細い葉がそよそよと春風になびいていて、この唄のことを想い出しました。どんな節だったのかなあ、とかいって口ずさんでみたり。ちょっとしたことにくっついたり離れたりする恋心をかかえて、昔の恋人たちも大川ぞいを歩いたのかなあと、しばし夢想しました。