博多帯は福岡県博多で生産される独特の風合いと、かたい織り味が特徴の絹帯である。博多帯は太い経糸が細く密な横糸を包む経畝織りで作られ、横畝が現れるので、緩みにくい。この博多織の技術は、中国・朝鮮から渡来した唐織や広東織の技術を基礎としているとされ、博多商人満田弥左衛門が禅僧とともに宋に渡り技術を習得したとの伝説がある。また16世紀後半に組紐業の竹若伊右衛門が帯地を考案した。結んだり解いたりするときにきゅっきゅっと絹鳴りがするのが魅力。男の角帯として有名であるが、後に女の単帯も作られ、木綿のものも織られた。
福岡藩主の黒田氏は1600年以来毎年幕府に献納したので、「博多献上」とよばれる。「献上」の柄は、縞を入れ経糸で浮き紋を織りだす独鈷華皿。独鈷は仏具で、先の金具には花浮(はなうけ)といって蓮の花が浮かし彫りにされていて厄除けの意味があった。華皿は仏を供養するとき花を散布するための皿。
独鈷模様3本が三献、五本が五献、七本が七献と呼ばれている。また夏物を紗献上と呼ぶ。
文化期(1804〜18)歌舞伎の「助六」で市川団十郎が博多織をほめるセリフを述べ、町人の間で流行した。