オリエンタリズム。かって欧米において王侯の趣味からはじまり、庶民の茶の間にまで広がった東洋趣味については、もちろんいろいろ批判もあろう。しょせんは欧米の植民地主義的幻想の産物であり、多くの誤解としばしば安っぽさに満ちている。結局は欧米の歪んだ自画像にすぎない、というわけだ。
現在、日本ではエスニックブームが続いている。タイあたりから始まって、インドネシアを経て、今はベトナムあたり。しかもそれは、ベトナム戦争などなんのそのの、植民地風のフレンチ・ベトナムテイストと称するもので、妖しいことこのうえない。 しかしそうと知った上で、それを「遊ぶ」ことは可能だ。遊びは創造だし、日常性からの脱出でもあり、ある場合は自己革新にもなりうる。
たとえばヨーロッパ近代デザインの成立に、ジャポニズムは重要な役割をはたした。ウィリアム・モリスらは、芸術を大衆の手に取り戻す運動のなかで、工業化の結果としてもたらされた醜悪でチープなヨーロッパ工業製品に対して、日本の装飾芸術ーいわば生活のなかの美を大切にする美意識ーに注目した。自然と人間の感情の一体感を重視する点や、非シンメトリー・ダイナミズムなど自然の造形に基礎をおく美意識を取り入れた。モリスらは日本を直輸入したのではなく、その精神を自らの文化の革新のために見事に翻訳したのだ。だから現代の私の目から見ても、すてきに思えるのだろう。2002/06
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プラント社のデザート皿
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